Voc排出抑制の取組み
 
 21世紀は「環境の世紀」といわれています。「健康で豊かな生活」、「持続可能な社会」を次の世代に引き継ぐことが使命です。
 印刷インキ工業連合会は、1993年(平成5年)「環境・安全・健康に関する基本方針」を制定し、健康の確保と地球環境の保護に調和した技術及び製品を提供しています。
  主な印刷用インキは平版インキ、グラビアインキ、樹脂凸版フレキソインキ、シルクスクリ−ンインキ、新聞インキで、それぞれ環境に対応したインキがあります。
 2004 年に大気汚染防止法の一部改正 (2006 年 4 月 1 日から施行 ) が行われ、とりわけ VOC の排出に関する関心が高まりました。当工業連合会は「 VOC 排出抑制」に取り組んでいます。
環境対応型インキ
平版インキ 新聞インキ
  大豆油インキ
ノンVOCインキ
UVインキ
易脱墨性UVインキ
  大豆油インキ
グラビアインキ 樹脂凸版インキ
ノントルエン(アロマフリー)インキ
水性インキ
水性インキ
グリコールインキ
UVインキ
シルクスクリーンインキ
  水性インキ
UVインキ
   
携帯対応型平版インキ
 現在の平版インキのほとんどは、芳香族成分を含まない高沸点石油系溶剤を使用したインキ:アロマフリーインキ(AFインキ)です。
  高沸点石油系溶剤はロジン変性樹脂等を溶解し、印刷適性を得るために重要な役割を果たします。この高沸点石油系溶剤の成分に含まれる芳香族成分の発がん性が懸念されたことから、芳香族成分を含まないアロマフリー高沸点石油系溶剤が使用されています。
[大豆油インキ]
 従来使用されていた亜麻仁油や桐油、高沸点石油系溶剤の代わりに、大豆油を使用したインキです。アメリカ大豆協会(ASA)が大豆油の使用を奨励し、基準に合ったインキや印刷物にソイシールの表示を認めています。  
  大豆油インキは、枯渇資源の高沸点石油系溶剤が従来品に比べ20〜30%削減された環境に優しいインキです。  
  1993年に大豆油インキの提供が始まり、1997年に家電メーカーがASA認定のソイシールを表示し、大豆油インキで印刷したことをアピールしたことで普及が始まりました。 現在では、新聞インキ、平版インキの64%が大豆油インキになっています。
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[ノンVOCインキ]
 インキ構成成分中の有機溶剤を植物油等に置き換えたインキです。植物油には、大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油等があります。

 大豆油インキよりもさらに進んだ環境にやさしいインキで、インキ成分中の石油系溶剤成分をゼロにしました。大気中に放出される VOC がなくなった一歩先をゆく環境対応型インキです。このインキは主に枚葉インキで実用化されています。

 「ノン VOC インキ」と同義語として、 VOC フリーインキ/溶剤 ( ソルベント ) フリーインキ/石油系溶剤フリーインキ/ NV(Non Voc) インキ他が使用されます。

[UVインキ]
 UV(紫外線硬化型)インキは、紫外線(UV)の照射でインキが硬化・乾燥して、強固な皮膜を作ります。このインキは無溶剤のため、VOC成分が大気中に排出されて、環境を汚すことはありません。大気環境保全に優れた環境調和型インキです。
 UVインキは脱墨しにくいため古紙再生処理に適さないといわれてきましたが、通常平版(油性)インキと同じように脱墨しやすいUVインキが提供されるようになりました。
環境対応型グラビアインキ
[ノントルエンインキ]
 ラーメンやスナック、暖めればすぐに食卓に出せるレトルト食品などの袋はプラスチックフィルムにグラビア印刷されています。いろいろな種類のプラスチックフィルムが用途に応じて使い分けされています。このため、特殊グラビアインキは、多種多様の樹脂や溶剤が使用されてきました。溶剤の中でもトルエンはインキの性能や印刷適性が良いことから多用されました。
 印刷現場で、トルエンの作業環境濃度が厳しくなったことから、ノントルエンインキの採用が2年前の調査から約8%増え、その生産量が38%になりました。作業環境にやさしいノントルエン化がさらに進むものと思われます。
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[水性インキ]
 印刷時に排出される揮発性有機化合物は光化学スモッグや、健康に有害といわれている浮遊粒子状物質の2次粒子の原因物質といわれています。水性インキの印刷にアルコールの併用は避けられませんが、水性インキは大気中に排出する有機溶剤を大幅に低減することができる環境対応型インキです。
 現在、水性インキの生産量は8千トン強、特殊グラビアインキ全体の7%強で、そのうち紙用及び建材用が81%で、フィルム用が17%です。
 現在水性インキの使用はインキや印刷に関連した機材の技術的課題が残されていますが、関連業界の協力を得て、さらなる研究開発を進めています。揮発性有機溶剤(VOC)の排出規制にともない増えていくものと思われます。
水性グラビアインキの用途
[環境対応型樹脂凸版インキ]
 樹脂凸版インキ(フレキソインキ)は、ダンボール用途が多く、水性インキやグリコールインキが主に使用されています。カートンやフィルム用途では水性インキ、UVインキが使用されています。環境対応型インキの生産比率は89.5%です。
樹脂凸版環境対応型インキ

VOCについて
VOC は、 Volatile Organic Compounds の略で、いろいろな定義があります。

・大気汚染防止法におけるVOC

 大気中に排出され、または飛散した時に気体である有機化合物(浮遊粒子状物質及びオキシダントの成分の原因とならない物質として政令で定める物質を除く。)

>>地方条例はこちら

・印刷インキのエコマーク基準におけるVOC
 WHO(世界保健機構)の化学物質の分類において「高揮発性有機化合物」および「揮発性有機化合物」に分類される揮発性有機化合物。
「VOCについては、総揮発性有機化合物(TVOC)として基準を設けることがのぞましい。印刷インキに使用されるVOCのうち、特に有害性が指摘されている物質の沸点範囲は0℃〜200℃の間に分布していること、沸点の高い物質は常温で揮発するおそれが少ないこと、印刷インキの組成上、必要最低の溶剤の使用を認めざるを得ないことなどの理由から、その範囲を超える準揮発性有機化合物及び粒子状物質は、Version2.1では認定基準の対象としていない。
(エコマーク印刷インキVersion2.1 解説より引用)

世界保健機構(WHO)の化学物質の分類
分類名称
略記
沸点範囲
高揮発性有機化合物 VVOC <0℃〜50-100℃
揮発性有機化合物 VOC 50-100℃〜240-260℃
準揮発性有機化合物 SVOC 240-260℃〜380-400℃
粒子状物質 POM >380℃
 
印刷インキと環境マーク
[エコマーク]
 私たちのまわりにあるさまざまな商品の中で、環境負荷が少ないなど環境保全に役立つと認められる商品につけられるマークです。消費者のみなさんがこのマークを見て、暮らしと環境の関わりを考え、環境にやさしい商品を選択するのに役立てていただくことを目的としています。
 印刷インキについては、2002年12月に、エコマーク商品類型No.102「印刷インキVersion2.0」が制定されました。(現在Version2.1)
  次のインキが対象になっています。
  A:平版インキ及び新聞インキ
B:グラビアインキ(除:出版グラビアインキ)
C:樹脂凸版インキ
D:その他のインキ
  ・平版紫外線硬化型(UV)インキ
・平版金インキ
・平版銀インキ
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[ソイシール]
 アメリカ大豆協会(ASA)は、大豆油や大豆たんぱくを使用し、使用量の基準に合致したインキをソイインキとしてソイシールライセンスを与えています。
  ソイシールには3つのバージョンがあります。

印刷物: 「PRINTED WITH SOY INK」
 (大豆インキで印刷しました)
インキ:   「CONTAINS SOY OIL」
 (大豆油を含む)
「CONTAINS SOY PROTEIN」
 (大豆タンパクを含む)

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