植物油インキ

植物油インキ制定の背景

 平成20年(2008年)に制定した植物油インキマーク制度は、それまでの大豆油インキ制度と違って、食料である大豆を原料とする大豆油に限らず、他の一般的な植物油や再生植物油等も使用できるよう対象範囲を広げました。
 植物油は、石油系の溶剤に比べて生分解性があり、VOCの排出もほとんどなく環境負荷低減に寄与しています。制度開始から約10年が経過していますが、現在ではオフセットインキのほとんどが植物油インキ対応製品となっています。一方、この制度は植物油インキの使用を条件としてポスターやカレンダー、カタログ等々の印刷物にもマーク表示が可能で、これまでに2,600社を超える印刷会社等と使用にあたっての許諾契約を結んでおり、数多くの印刷物に表示されています。
 令和3年(2021年)に安全や環境への配慮をさらに進めるために、植物油インキの基準にNL規制準拠を追加しました。

植物油インキの定義

  1. 植物油とは
    再生産可能な大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油等植物由来の油、及びそれらを主体とした廃食用油等をリサイクルした再生油。
  2. 植物油インキとは
    インキ中に含有する植物油、または植物油を原料としたエステル※との合計が、含有基準量以上のインキ。
    ※植物油アルキッドについては、油長(植物油成分含有量)とする。

植物油インキの基準

  1. インキ中の植物油含有基準量(重量%)
    • 新聞オフ輪インキ:30%以上
    • ノンヒートオフ輪インキ:30%以上
    • 枚葉インキ:20%以上(但し、金、銀、パール、白インキ:10%以上)
    • ビジネスフォームインキ:20%以上
    • ヒートセットオフ輪インキ:7%以上
    • 各種UVインキ:7%以上
    • デジタル印刷機用孔版インク:6%以上
    • フレキソインキ:植物由来のタンパク3%以上
  2. NL規制に準拠する